出会うこと

(旧サイトに記載していた記事を再アプロードしました)  

  3月25日からの2日間、日本教育工学会2023年春季全国大会が東京学芸大学で開催されました。いつもチェックしている先生方がいるのですが、今回は論文のタイトルで「聞きたい!」と思った先生方の発表にも積極的に参加しました。





  その中でも、「観察を促すデジタルストーリーテリング教材の開発に向けて」というご発表が強く印象に残りました。デジタルストーリーテリング(DST)は、「短い、一人称のビデオであり、録音した音声と静止画または動画、そして音楽やその他のサウンドを組み合わせて制作した物語」を作る活動(池田 2012)です。DSTは、例えば和田(2014,2016,2022)の研究のように、メディア・リテラシー教育の文脈でも取り扱われるものです。今回のご発表は教材開発のための下準備というところで、具体的な教材や実践研究に関する内容はありませんでした。しかし、この先生方のご専門はメディア・リテラシー教育ではないと思うのですが、水越伸先生(関西大学)やLen Masterman先生(University of Nottingham)の著書を良く読んでおられるようでした。発表資料の色使いやデザインは教育工学系の学会ではあまり見られないもので、とても新鮮でした。CiNii等では先生方の論文が見つからなかったので、今後の期待は大きいです。また、今回は対面で様々な先生にもお会いし、スモールトークを楽しみました。教員研修等の今後につながるお話が出来たので、こちらも期待大です。色々な思わぬ出会いがあった学会でした。


  やはり、出掛けて行かねば。どこに突然の出会いがあるか分からないから。


参考文献

  • 池田佳代(2012)人の成長を促す参加型教育の方法論. 龍谷大学大学院政策学研究,第1号:1-18
  • 和田正人(2014)教員養成学生のデジタルストーリーテリング作成による態度変化.日本教育工学会研究報告集,14巻,1号:63-70
  • 和田正人(2016)自分のメディア史のデジタル・ストーリーテリング作成によるホープレスネス及び態度の変化.日本教育メディア学会研究論文集,39巻:50-59
  • 和田正人(2022)デジタルストーリーテリング制作とSNSによる自尊感情の効果.日本教育メディア学会研究論文集,54巻:73-82

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